採用ノウハウ

【導入事例】全国30拠点以上の募集企業が実践|ATS×AI面接のハイブリッド運用で夜間・土日応募を取りこぼさない採用体制へ

2026.05.01

「応募はあるのに、面接枠が合わず面接ができない。」

多拠点で現場責任者が面接官を兼務している企業では、特に起こりやすい課題です。

本記事では、全国30拠点以上で常時募集を行う物流企業における、ATS(採用管理システム)とAI面接を組み合わせたハイブリッド運用の導入事例をご紹介します。
「現場の負担を増やさずに、時間外の応募者を漏らさず選考に乗せる仕組み」を、実際の数値データとあわせて解説します。

1. 導入前の採用フロー|面接コボットで面接調整は自動化済み

面接調整の自動化を行い、平日日中の面接枠はスムーズに予約確定できても、18時以降は土日に面接枠を解放していないため、夜間・土日を希望する応募者を拾いきれないという課題がありました。

今回の事例は、全国30拠点以上で採用を行う物流企業です。同社では、応募者への一次対応や面接の日程調整を自動化するため、ATS(面接コボット(dip社))を導入していました。

システム導入により、平日の日中については自動で面接予約が埋まる仕組みが整っていました。
しかし、大きな課題として残ったのが「営業時間外」の対応です。夕方18時以降や土日は面接枠を解放していなかったため、その時間帯を希望する応募者を、自動化をもってしても拾いきれずにいました。

2. 面接調整を自動化しても残っていた3つの課題

現場責任者(拠点長クラス)が面接官を兼務しているため、面接調整の自動化後も次のような3つのジレンマが常態化していました。

課題① 機会損失の常態化|時間外の応募者が他社に流れる

在職中の求職者は、平日夜や土日を面接希望日として選ぶことが多くあります。希望日時が面接枠に無い時点で応募を見送られたり、枠を提示できる他社を優先して進められたりするため、時間外対応ができないほど応募母集団を拾い切れなくなります。返信スピードの差がそのまま採用の差になります。

課題② 現場責任者の疲弊|面接設定率と来社率のギャップ

無理をして時間外に対応しても、面接設定から当日の来社率には必ず一定のギャップが生じます。今回の事例企業では、この来社率が70%にとどまっていました。残り30%は、当日キャンセルや連絡不通です。時間を確保したにも関わらず来社がない、あるいは不採用となった場合、面接官側の精神的・時間的な負担は小さくありません。現場の離反要因にもつながります。

課題③ 「一緒に働く仲間は自分たちで見極めたい」という現場意識

「面接を全面的に外部へ外注してしまえばよい」という案も検討されましたが、現場からは「一緒に働く仲間は自分たちの目で見極めたい」という声が根強く、全面的なアウトソースは困難でした。現場の判断権は残したまま、負担だけを減らす設計が必要でした。

3. 解決策|時間帯で切り分ける「対面×AI面接」のハイブリッド運用

平日日中は従来どおり対面、時間外はAI面接」と切り分け、その振り分けを応募時点で自動化する設計で、これらの課題を解決しました。ポイントは次の3点です。

① 面接コボットの「シナリオ分岐」で応募時に自動振り分け

事例企業では、面接コボットの上位プラン「チャットプレミア」を利用し、応募時のヒアリングで希望日時を選択させる分岐を追加しました。

この時点で、どちらのフローに進むかがシステム上で自動的に切り分けられます。既に運用していた面接調整の自動化の中に、「対面なのか/AI面接なのか」という一段上の分岐を組み込んだ形です。

② 固定URLでAI面接へ自動誘導|24時間いつでも受検可能

「土日・夜間」を選んだ応募者には、その場でAI面接のURLを自動送信します。応募者は自分のスマートフォンから、24時間いつでも好きなタイミングで、録画形式のAI面接を受検できます。

これにより、応募者側の日程調整ストレスがなくなり、応募から選考開始までのスピードが大幅に短くなります。

③ 現場の負担を増やさないシステム選定

現場側で使うツールの「簡便さ」は導入可否を左右します。今回の事例では、AI面接システムにAI RECOMENを採用しました。現場担当者が管理画面にログインしなくても、届いたメールのURLをクリックするだけで面接動画を確認できる点が特徴です。

忙しい現場責任者が「新しいシステムの使い方を覚える」というストレスを抱えずに済むため、導入時の心理的ハードルが下がります。

運用パターン対応可能時間現場の負担取りこぼし現場の判断権
対面のみ平日日中のみ高い多い残る
面接アウトソースのみ24時間低い少ない失われやすい
対面×AIのハイブリッド24時間低い少ない残る

4. 導入効果|具体的な数値データで見るハイブリッド運用

事例企業でのモニタリング結果は、次のとおりです。

応募者の約11%が「時間外(AI面接)」を選択

応募者に日中対面/土日夜間AIを選ばせた結果、約11%が時間外(AI面接)を選択しました。これはそのまま、「時間外対応が無ければ離脱していた可能性のある層」の割合とも言えます。

面接実施ベースの採用率|AI面接の方が高い結果に

実際に面接まで進んだ応募者からの採用率は、以下のとおりでした。

指標対面(来社)面接AI面接
面接実施 → 採用率21%29%

AI面接経由のほうが、面接を実施した方からの採用率は高い結果となっています。時間外にわざわざ主体的にAI面接を受検する層は、入社意欲が相対的に高い可能性があり、そのことが数値にも表れていると考えられます。

「取りこぼし」が「戦力」に

モニタリング期間中、AI面接経由で2名の採用が決定しました。これまでは「時間が合わない」で終わっていた応募が、実際の戦力として入社につながった形です。

5. 現場(面接官)からの声|AI面接導入後のポジティブな変化

「AI面接を入れると、現場の判断権を奪うのではないか」という懸念もありましたが、実際には逆の反応が多く返ってきました。

   「動画で話している姿を事前に見られるため、会う前に雰囲気が把握できて助かる」

   「時間外にわざわざ出勤しなくてよくなり、ワークライフバランスが改善した」

   「最新ツールを使いこなす会社という印象が応募者に伝わり、採用ブランディングにつながっている」

現場は「面接という作業」から解放され、「選考という判断」に集中できるようになります。業務の質を上げる意味でも大きな変化です。

6. AI面接がもたらす「企業ブランディング」の側面

AI面接の導入は、単なる効率化にとどまらず、企業ブランディング(=求職者から見た会社の印象づくり)の側面も持ちます。

多拠点・常時募集を行う業種ほど、採用の接点は企業イメージに直結します。「採用プロセスそのものがブランディングである」という観点は、ますます重要になっています。

7. ハイブリッド運用を設計するときの3つの注意点

ハイブリッド運用を成功させるには、仕組みだけでなく細かな配慮が必要です。事例企業で実際に工夫した内容を含め、以下の4点をおさえることをおすすめします。

これらを整えた上で導入すると、応募者体験と現場運用の両方が安定します。

よくある質問(FAQ)

Q1. AI面接を導入すると、採用の質は下がりませんか?

A. 事例企業では、面接実施ベースの採用率はAI面接29% / 対面21%と、むしろAI面接の方が高い結果でした。応募ベースでもAI 6.3% / 対面6.9%とほぼ同等です。評価観点をそろえ、録画を現場責任者が確認する運用にすれば、対面に近い粒度で判断できます。全件をAIに置き換えるのではなく、時間外のみAIにする「補完型」の設計が前提です。

Q2. 応募者はAI面接に抵抗を持たないのでしょうか?

A. 応募時に「日中対面/土日夜間AI」を自ら選ぶ運用にしているため、AIを選ぶ方は主体的に選択しています。さらに、事例企業では案内メールで「AI面接」ではなく「AIかんたん事前アンケート」というラフな呼び方を用いることで、心理的ハードルと受検前の離脱を抑えました。

Q3. ATSとAI面接の連携にかかるコストや期間はどの程度ですか?

A. 事例企業では、ATS側は面接コボットの「チャットプレミア」を4週間20,000円、AI面接はAI RECOMENを50回分35,000円で導入しました(いずれも2026年1月時点の料金。最新の金額は各サービス公式サイトでご確認ください)。応募時の分岐設定とAI面接URLの自動送付のみであれば、運用開始まで数週間〜1か月程度で段階的に立ち上げられます。多拠点・常時募集の規模感から見れば、1人の採用が決まった時点で十分に回収できるコスト水準です。

まとめ|「仕組み」で選考の空白を埋める採用設計へ

「夜間や土日に対応できないから採用できない」のは、現場の努力不足ではなく、仕組みの不在です。

すべての面接をAIに置き換える必要はありません。面接調整の自動化を前提に、ATSの分岐機能で「人が対応できない時間帯だけをテクノロジーで補完する」。このハイブリッド設計こそが、現場の負担を最小限に抑えながら採用歩留まりを最大化し、「24時間応募を受け止める会社」という企業ブランディングにもつながる、最も現実的な選択肢です。

今回の事例は物流企業ですが、多拠点・常時募集を行う小売・サービス業など、同じ構造を持つ業種でも十分応用可能な仕組みです。

採用代行・ATS×AI面接連携のご相談について

株式会社レコグラムでは、求人広告やスカウト運用をはじめ、ATSの運用設計・AI面接の導入・現場通知の整備まで、採用プロセス全体のご支援を行っています。多拠点・常時募集の企業で時間外応募の取りこぼしにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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